以前、観光客が多いあるモールから出店の打診を受けたときには、この条件に当てはまらないとして出店を見送ったという。
店の中の「どこに出すか」から「どのモールに出すか」までが細かく言語化されている。しかし、この青木さんの計算された出店戦略をもってしても、避けられなかった危機があった。
緊急事態宣言の年に、3億円をかけサイネージ導入
2020年4月、新型コロナによる緊急事態宣言で、全国のモールは一斉に臨時休業や営業時間が短縮された。この状況は約1カ月半ほど続く。売り場が閉まれば、当然ジュースは1杯も売れない。
「このままでは会社が止まってしまう」
そう危機を感じた青木さんが社員に出したのが、「AOKI緊急事態宣言」だった。
内容は2つ。一つは、基本的な手洗いうがいで感染拡大を防ぐこと。もう一つは、休業中も従業員の給与を守ることだった。4月は全額、5月分の給与もほぼ全額支給した。
売り上げがほぼ消える状況で、そこまでして従業員をつなぎ止めようとしたのは、「コロナは必ず終わる。そのときに働く人がいなければ復興はできない」と考えたからだった。
青木さんには、コロナが終われば、世の中の価値観が変わるという見通しがあったという。
「コロナ後は、健康を気にする人が増える時代になると考えたんです」
目先の売り上げはまったくたたなかったが、健康にいい果物を広げるチャンスがコロナ後にくると信じたのだ。
そして、売れない期間を準備に当てた。
まず、大胆な施策として、2020年5月、デジタルサイネージに約3億円投資を決めた。テレビのような画面を使って映像や文字を表示し、広告や案内を流す「電子看板」だ。


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