一方、果物売り場を見ると、並んでいる加工品はカットパインやメロン程度。「果物も、何か別の形で届けられないか」と考えてたどり着いた答えが、ジュース専門店だった。
2002年、54歳の青木さんは、卸売事業の全株式を譲渡した。そして7000万円を借り入れて新事業のジュース専門店に挑戦する。これが卸売業から小売業への大きな業態転換だった。
老舗果物屋から、国内トップシェアのジュースブランドへ
1号店を開いたのは、福島県郡山市のうすい百貨店地下1階。
「おいしいジュースができました。でも内心は心配で」
心配の理由は価格だ。当時、1杯390円の生搾りジュースは、120円の缶ジュースの約3倍だった。しかし、初日の売り上げは5万4000円。1日で約140杯が売れて、心配をよそに好調なスタートが切れた。
ただ、青木さんは「ビジネスモデルとして語るには、1店舗ではだめだ」と考え、次に、ザ・モール郡山へ出店した。こちらは最初の日曜日に20万円を売り上げた。これでジュースの手応えは確信へと変わったという。
では、そこからどうやって全国のショッピングモールへ広がっていったのか。
転機は2008年、初の大型ショッピングモールに出店すると、初日に50万円、約1300杯売り上げた。そこで、「なるほど、ここがわが社の最適立地なのだ」と気づいたという。
2009年、青木さんは全国の郊外大型モールの面積や売上などの情報を集め諸条件を調べた。すると、イメージと合致する施設は全国に約120施設あり、その7割以上をイオンをはじめとした大型モールが占めていることに気づいた。
それならと方向性を定め、青木さんは自らモール側に声をかけ、出店交渉を進めた。その結果、2013年には1年間で58店舗、出店を一気に加速させた。
最近のデータでは青木フルーツは、生搾りジューススタンド業態で売上ベースの国内シェア39.2%を占め、トップに立っている。
この実績が評価されて、いまでは新しい商業施設を計画する際、青木フルーツ側へ出店の情報提供や相談が持ちかけられるという。


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