筆者たちも並び、夏季限定スイカジュースを注文した。目の前でカットされた生のスイカをミキサーへ、数秒まわせばあっという間に完成した。太めのストローで吸い込むと、スイカ特有の水っぽさはなく、さらっと飲みやすい。
しかし、ゴクゴク飲み干すには少し勇気がいる価格でもあった。Mサイズで390円(税込421円)から。ペットボトル飲料の約2.5倍と、高価なジュースなのだ。
それでも果汁工房果琳を含むジューススタンドは、190店舗(2026/9/1時点)を展開する。イオンモールへ行けば「またここにある」と感じる人も多いはずだ。
なぜ、高価なジュース専門店が、全国のモールへ広がったのか。理由を探るため、運営会社である青木フルーツ株式会社の会長、青木信博さんに話を聞いた。
魚も肉も「調理済み」が並んでいた
取材が始まると、青木さんはジュースの話より先に、果物への思いを語り始めた。
「果物の本当のおいしさと、健康にいいことを伝えたいんです」
青木フルーツの創業は1924年。もともとはバナナの卸売業だった。1972年、24歳で3代目を継いだ青木さんは、2000年頃、ある数字に違和感を覚える。
農林水産省が公表する青果市場の流通量が、毎年3〜5%ずつ減り続けていたのだ。
「日本の人口は減っていないのに、どうして流通量が減るんだろう」
疑問に思い、スーパーを歩いた青木さん。
魚売り場では、一尾ではなく刺身や煮魚に調理されている。また、精肉売り場も生肉だけではなく、唐揚げや総菜として並んでいる。
「家庭で時間をかけて調理する時代から、すぐ食べられるものを買う時代に変化していることに気がついたんです」


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