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2026年11月28日に行われる台湾の統一地方選挙で、とくに注目を集めているのが台北市長選だ。
9月中旬現在、世論調査によって数字にはばらつきがあるものの、現職の蔣万安氏が優位に立っていることを示す調査も少なくない。
一方で、現場を見ていくと、蔣氏のライバルである元学者で立法委員(国会議員)の沈伯洋氏が脱イデオロギー化を進めることで中間層や親中国国民党層の警戒感を和らげ、対する蔣氏は自らの陣営の熱量を冷ましている――。そうした構造変化が起きているようだ。
なぜそう言えるのか。
回答を逸らして「問A答B」
台湾の立法院(国会)や地方議会では、相手の追及に対して質問とは異なる論点を持ち出して反論する場面がしばしば見られる。現職市長である蔣氏については、「質問に対して論理的に答えず、準備された安全なフレーズを繰り返す」「他自治体や中央政府に矛先をそらす」といった言動が少なくはなく、そうした姿勢がたびたび批判の対象となっている。
その一例が、台北市議会で行われた食品安全をめぐる質疑だ。民主進歩党(民進党)籍の顔若芳市議員は、過去に食中毒が発生した飲食店が、台北市の衛生管理に関する評価制度で合格とされていたことを取り上げ、市の管理基準や手続きについて質問した。
これに対し蔣氏は、台北市の基準や手続きについて直接答えるのではなく、「では高雄市は検査したのですか。中央政府(衛生福利部)は検査したのですか」と問い返し、民進党籍の市長がいる他自治体や中央政府を引き合いに出して反論を展開した。
これに対し顔氏は、蔣氏の答弁を「問A答B」、つまり質問とかみ合わない回答だと批判した。台湾メディアもこのやり取りについて「蔣氏が高雄市や中央政府による検査の有無を繰り返し問い、顔氏が『問A答B』と指摘した」ことを報じている。高雄市政府も、工場の立ち入り検査や抜き取り検査は地方政府の責任だと反論した。
これ以外にも、市政の懸案事項である台北ドーム改修や再開発問題などについて具体的な方針を記者から問われた際、具体策を語らず、「計画中」だったり、意味もなく「ありがとう」といった言葉を繰り返す姿勢がメディアで取り上げられることがある。

