モスフードサービスも手をこまねいていたわけではない。ハンバーガー以外の業態開発に取り組んできた。そのひとつが和食業態だ。和食レストランの「あえん」や、駅前や駅構内など狭小テナントへの出店を意識した「玄米食堂あえん」がある。ただ足元では2ブランド合わせて8店舗にすぎない。
BYO買収で新たなブランドが展開可能となることで、出店拡大にも寄与する可能性がある。モスバーガーは多くの店舗をフランチャイズ(FC)で展開している。国内のモスバーガーは8月末時点で1307店舗。そのうち、FC店舗は1269店舗で97%を占める。
FCオーナーからすると複数店舗をうまく運営できれば、特定1店舗の売り上げに左右されるリスクを小さくできる。ただ、モスバーガーをすでに出店しているFCオーナーにとって、近隣物件への追加出店は、自社競合も引き起こすなど現実的ではない。その点でBYOの持つ和食の業態は、モスバーガーとの競合リスクも少なく、隣にでも出店することが可能だ。
モスが強い台湾でもシナジーを期待
国内でモスバーガーの店舗数は、18年の食中毒事案やコロナ禍の影響もあり、17年をピークに店舗を減らし、いまだ戻っていない。今後さらに店舗数を増やすために、FCでの展開をしており複数の業態を持つBYOは魅力的な存在だった。
海外でもシナジーが期待できる。モスバーガーは台湾で297店舗展開しており、日系の外食チェーンではトップの店舗数。26年度は新たな食品工場の稼働も予定しており、現地での製造を拡大する計画となっている。BYOは台湾で5店舗を展開する(6月末時点)にすぎないが、多くのモスバーガー店舗があり、流通網を築き上げている台湾での出店は、他の地域と比べると難易度は高くないはずだ。
「えん」や「おぼんdeごはん」はチェーンとして確立されており、国内外で出店増のポテンシャルも大きい。モスフードサービスの成長のカギを握る存在となるだろう。

