29年という時間は、確かに短くはない年月だ。そして、オリジナルメンバーが求められる人気作品であるほど、リバイバルというのは難しい。
しかし、今回の『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』が示したのは、下手に取り繕うのではなく、まっすぐ見せることが、かえって信頼を勝ち取る場合があるという逆説だった。
“本物”がそこにいることの重み
見た目を“若く保つ”ことだけが、好感度を高める唯一の方法ではない。時には、老いをそのまま見せることのほうが強いメッセージになるし、姿形が変化していたとしても、“本物”がそこにいるという事実だけで、作品への信頼が支えられる。
また、これは芸能人やキャラクターに限った話ではない。年齢を重ねた自分の見た目をどう扱うかに悩む人は少なくないだろう。若さを装うことに労力を割くべきか、それとも今の自分をそのまま見せるべきか。
14年ぶりに主役として帰ってきた青島俊作の顔、そして今なおファンが待ち続けるオリジナルキャストへの思いーーこのシリーズが教えてくれるのは、見た目が伝える“本物らしさ”の重みなのかもしれない。
【参考・引用文献】
※1:Burgoon, J. K. (1993) Interpersonal expectations, expectancy violations, and emotional communication, Journal of Language and Social Psychology, 12(1-2), 30-48.
※2:Ross, L. & A. Ward (1996) Naive realism in everyday life: Implications for social conflict and misunderstanding, in T. Brown, E. Reed, & E. Turiel (eds.) Values and Knowledge, Lawrence Erlbaum, 103-135.
※3:Newman, G. E. & P. Bloom (2012) Art and authenticity: The importance of originals in judgments of value, Journal of Experimental Psychology: General, 141(3), 558-569.


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