ベーカリー事業の立ち上げや、シャトレーゼとのフランチャイズ契約などテイクアウト需要に対応する施策を実施したのは21年になってから。感染拡大から約1年が経っていた。
「先人が積み上げてきた内部留保を吐き出してしまった。黒字化までこれだけ時間がかかったのにはいくつか要因がありますが、この出足の遅さはとても大きかったと反省しています」
さらに悪いことが重なる。コロナ拡大と前後して「改正健康増進法および東京都の受動喫煙防止条例」が全面施行され、飲食店は原則禁煙と定められた。
"喫煙者のオアシス"が紙たばこを全店で禁止にした結果…
多くの人が知るとおり、ルノアールといえば"喫煙者のオアシス"だ。しかし、同社は条例に従って、分煙したうえで加熱式たばこのみ吸える形にし、紙たばこは全店で禁止にした。これがさらなる向かい風を呼ぶ。
「反発は大きかったですよ。『加熱式じゃなくて紙たばこが吸いたいんだ』という声がお客様からやまなくて。紙が吸えないなら、と帰ってしまう方も多いと報告を受けました」(岡崎社長)
結果として、20年度は売上高が前期比で48%減に。最終赤字は23億円に達し、その後も自社ビルの売却などで耐え忍ぶ、長い冬の時代を過ごした。
つまり、つい数年前まで同社は“ボロボロ”だったわけだ。


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