もっとも、この撤退を単純な英断と見る向きばかりではない。写真専門メディアPetaPixelは15 Ultraのレビューで、可変絞りを外した判断を「questionable decision(疑問の残る判断)」と評し、被写界深度をコントロールする手段を失ったことで、シャッタースピードや露出補正への依存が増したと指摘している。Xiaomiの撤退は、手間を嫌った合理的な判断であると同時に、写真表現の幅を犠牲にした判断でもあった、という両面を持つ。
そして、この「手間」の話は他人事ではなかった。筆者がいちばん引っかかったのも、まさに操作の煩雑さだったからだ。
ただし、iPhone 18 Proの可変絞りが利くのはメインレンズだけである。1倍(24mm・28mm・35mm相当のデジタルクロップ)と、センサーの中央部だけを使う2倍(48mm相当)がその対象になる。望遠の4倍・8倍と超広角の0.5倍は可変絞りに非対応で、これらのレンズではシャッタースピードや色温度の調整だけができる。シャッタースピード、ホワイトバランス、ヒストグラムといったフルマニュアル系の「Pro Controls」も、同じくメインレンズ専用だ。
横持ちで撮影中、画面左側のボタンをタップすると右下に操作パネルが出てきて、そこで調整する。この導線がとにかく操作数が多い。さらに右下にはレンズの切り替えボタンも並んでいる。スワイプ操作を誤るとポートレートモードや動画モードに切り替わってしまい、誤操作が起きやすい。レンズによって「変えられる項目」が違うので、切り替えるたびに頭の中で設定を組み立て直す必要がある。
「パッと撮って、パッと理想の設定に切り替えたい」と思うカメラ経験者ほど、この煩雑さに混乱しやすい印象を持った。シャッターチャンスを逃す原因になり得る、というのが率直な感覚だ。
Xiaomiが1世代で引き返した理由と、筆者が実機で感じた引っかかりは、同じ場所を指している。読者にとっての示唆はこうだ。仕事道具としてスマートフォンのカメラを使うなら、スペック表に並ぶ機能の数より、「その機能に何タップで到達できるか」を店頭で確かめたほうがいい。可変絞りは、使いこなせる人には強力で、使いこなさない人には存在しないのと同じ機能である。
ƒ/1.48の開放で決まる自然なボケ
いちばん穴を大きく開けた状態、いわゆる開放はƒ/1.48。この数字は小さいほど穴が大きく、光をたくさん取り込めて背景がボケやすい。17 Proのƒ/1.78より1段明るく、理屈のうえでは18 Proのほうがボケは強く出るはずだ。


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