そのメインカメラには、新型センサーと6枚羽根の機械式可変絞りが新たに載った。可変絞りとは、レンズの中で光が通る穴の大きさを物理的に変えられる仕組みのこと。穴を大きく開ければ背景がとろけるようにボケ、小さく絞れば手前から奥までピントが合いやすくなる。iPhone 18 Proではƒ/1.48、ƒ/1.8、ƒ/2.8、ƒ/4.0の4段階を切り替えられる。17 Proはƒ/1.78の固定だったので、「選べる」こと自体が新しい。状況に応じてメインカメラが自動で絞りを調整し、最適な写真を撮る仕組みも用意されている(手動での調整も可能)。
再登場した技術
ここで事実として押さえておきたいのは、スマートフォンに物理的な可変絞りを載せる試み自体は、Appleが最初ではないという点だ。Samsungは2018年発売のGalaxy S9/S9+で、メインカメラにF1.5とF2.4を切り替える「デュアルアパチャー」を搭載している。暗い場所ではF1.5、明るい場所ではF2.4へ端末が自動で切り替え、プロモードでは手動指定もできる仕組みだった。
この機構はGalaxy S10やNote10にも引き継がれたが、20年のGalaxy S20で姿を消し、以降のGalaxyフラッグシップには搭載されていない。つまりiPhone 18 Proの可変絞りは、業界にとって初物ではなく、S9からS10・Note10まで3世代続いたのち、6年前に一度途絶えた技術の再登場ということになる。
実はSamsung自身、26年に入って可変絞りハードウェアの再開発を進めていたと報じられている。ただし同年8月には、コスト増や本体の厚み、画質向上が投資に見合わないといった理由から、次期Galaxy S27シリーズへの搭載は見送られたとも伝えられている。一度手放した技術を再検討しては、また見送る。可変絞りは、Samsungにとっても扱いの難しい機能であり続けているようだ。
より近い先例が、24年にLeicaと共同開発したXiaomi 14 Ultraだ。メインカメラにF1.63からF4.0まで調整できる無段階の物理可変絞りを搭載し、iPhone 18 Proとほぼ同じ範囲をカバーしていた。ところが後継のXiaomi 15 Ultra(25年)では可変絞りが廃止され、固定絞りに戻っている。理由として複数の写真系メディアが指摘しているのが、通常撮影と接写で絞りをそのつど手動調整する手間、つまり使い勝手の問題だ。機能として優れていても、日常の撮影テンポに乗らなければ使われない。Xiaomiの撤退は、そのことを示している。


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