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ライフ #ヤングケアラーの僕が東大に合格するまで

「また東大ネタか」とナメていた書評家が絶句「Netflixで映像化してほしい」ヤングケアラーから東大へ壮絶すぎる一冊

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東京大学安田講堂
両親のケアや家事をこなしながら東大合格をつかんだ青年の物語を紹介(写真:haku/PIXTA)
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しばらく様子を見ていると、僕の症状の傾向がわかってきました。僕は、布団で横になっているとき、家の中がシーンとしていると、父の叫び声や母の泣き声、ガラスの割れる音や扉のバンと閉まる音が、幻聴のように聞こえ、家の中で物音がすると、なにかトラブルが起きたんじゃないか、と恐れるようになっていたのです。
そして気づいたときには、両親の声を聞いたり、顔を見たりするだけでも、強烈なストレスを抱えるようになっていました。いままで問題を抱え込みすぎたがゆえに、限界を超えてしまったのです。
(『ヤングケアラーの僕が東大に合格するまで』128ページより)

さらに呼吸困難の症状の影響で、少し歩くだけでも息が上がってしまうようになったという。長時間かけて高校に通う体力もなくなり、高校2年生の冬は学校を休むことが増えたようだ。

そして高校3年のころには、父親がさらに荒れるようになった。生活保護などの問題によって、ますます精神的に追い詰められていったのだ。「自分だけ東大に受かったらそれでいいと思ってるだろ」「どうせお前は、東大に受かったって家族を見捨てるだけだ!」など、怒号の応酬が何時間も続いたという。

家の中は荒らされ、母親が悲鳴をあげ、著者は後頭部を床に打ちつけられる。通報を受けて訪れた2人の警察官が部屋に入ってきたときには、「ああ、終わった……」と、家族の崩壊を目の当たりにした気分だったという。

「君には力がある」

父親は連行され、著者と妹は警察署の待機室に案内された。年配の警察官はとても親切で、著者と妹をあたたかく保護してくれた。自分が東大受験生であること、家族が生活保護を受けていること、お金の問題や病気の問題、家庭内トラブルのことなどを話すと、警察官は深く理解してくれた。

結果的に刑事事件とはならず、両親は家に戻った。しかし慎重を期すため、著者と妹は隔離施設で一晩を明かすことになった。そののちの別れ際、著者は警察官から勇気づけられる。

「きみには、私たちにはない力がある。
これだけ過酷な環境の中で未来をつかもうとしている。
その覚悟と努力は、誰にも真似できるものじゃない。
きみは、絶対に応援されるべき人間だ。
だから、負けるな。
必ず東大に行ける。
そしてきみならこの社会を、きっとより良く変えられる。
信じているよ」
この言葉を、僕は一生忘れません。
そして、僕は決心しました。
「東大に合格できたら、この経験を社会に届けよう」と。
(『ヤングケアラーの僕が東大に合格するまで』162〜163ページより)
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