これこそが、日本のメジャーブランドが今まさに追求すべきアプローチだ。最高峰の技術を持ちながら、それを語る人間の情熱やストーリーが不足している。日本の自動車ブランドが真のラグジュアリーとして世界に認識されるためには、技術スペックの羅列を超えた、美学と文化の発信が必要不可欠なのである。
主旋律――日本のブランドが今すぐ果たすべきコミットメント
モントレー・カー・ウィークは、もはや過去の遺産を懐かしむだけのノスタルジックな旧車イベントではない。それは、クラシックカーの歴史とイノベーション、レースの情熱と富裕層ビジネス、そして数千万ドルのマネーが交錯する場であり、ラグナ・セカからペブルビーチに至る全域が、現代における最高峰のマーケティング・プラットフォームである。
フェラーリがルーチェの“シャシー0”によって示したように、ラグナ・セカでのモータースポーツヘリテージからペブルビーチでのエレガンス、そしてオークションでの価値創出に至るまで、欧州のラグジュアリーブランドは自らの歴史を巧みに現在および未来へと接続し、揺るぎない顧客の囲い込みを完了させている。
日本の自動車産業は、世界最高の信頼性と卓越した技術、そして数々の伝説的なレースヘリテージを有している。そしてJDMの多様で深いカーカルチャーの素地すら持っているではないか。
それにもかかわらず、モントレーという世界最大のラグジュアリーカービジネスの主戦場に対し、主体的かつ戦略的にコミットしないのは、あまりにも惜しく、もったいない。
ハードウェアの展示にとどまらず、ブランドの歴史を体系化し、人を惹きつけるアイコンとストーリーを提示し、経営トップ自らが現地で富裕顧客と対話する。
日本の自動車ブランドも、モントレー・カー・ウィークのようなラグジュアリーの舞台へ本格的にコミットしてはどうであろうか。日本車が持つ潜在能力は、この地で世界を魅了するだけの力をすでに十分に備えているのだから。


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