ここでいう融合とは、AとBを混ぜて新しいCを作ることではありません。Aの中にBを見出し、Bの中にAを見出すこと。あるいは両者を包み込む、より大きな目的の中で、境界線そのものを溶かしてしまうことです。
では、3つのテーマで、具体的に考えてみましょう。
3つの「両立」を「融合」に変える
仕事で身につけたタスク管理術は、家事や子どもの予定管理に応用できます。逆に、子育てで磨かれた「相手の感情を読む力」「待つ力」は、仕事の対人関係に確実に活きます。
「ここからが仕事、ここからが家庭」と線を引くのではなく、「生きている時間すべてが、私という人間を形作る素材である」と捉え直してみてください。これだけで、仕事中の罪悪感も、家庭にいるときの焦りも、ふっと軽くなります。
これは中学生の子どもを持つ親御さんに、ぜひ知っておいていただきたい視点です。子育ての悩みの多くは、この「勉強と遊び」の二元論からも生まれます。「勉強しなさい」と言われなくても自ら学ぶ子は、ほぼ例外なく勉強と遊びが融合しています。
歴史漫画を読むのは遊びでしょうか、学びでしょうか。ゲームの攻略動画を英語で見るのは娯楽でしょうか、英語学習でしょうか。プログラミングでゲームを作るのは遊びでしょうか、最先端の学問でしょうか。
心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した「フロー状態」——時間を忘れて没頭する最も生産性と幸福度の高い状態——は、「やらされている」感覚の中では絶対に生まれません。遊びと学びの境界が溶けたときにだけ訪れます。
親御さんの役割は、勉強と遊びの時間配分を管理することではありません。「あなたが今夢中になっているそれは、こんな学問とつながっているよ」と、境界線を溶かしてあげることです。


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