マービンは、自分のスタートアップ企業を軌道に乗せるための資金をシュライスから獲得しようとしていた。これまでの貯蓄を新会社につぎ込んできたマービンにすれば、成功は目前だった。
自分の友人とつながるシュライスの評判はよかったので、マービンはかなりの時間をかけて準備し、シュライスとの面談を実現させた。
シュライスに売り込みを開始して数分後、シュライスが興味なさそうに、うわのそらで話を聞いていることにマービンは気づいた。彼はしだいに怒りをつのらせ、いらいらしながら何か問題があるのかと尋ねた。
怒りの口調で相手を非難
シュライスはマービンを見て、いくぶん冷ややかに答えた。
「正直に言わせてもらうと、あなたの製品に価値があるとは思えないわ。それに、私の目から見てもっと厄介なのは、あなたがマーケットの評価と自分自身の評価を区別できているのかどうかがはっきりしないことよ。
そこをもっとちゃんと見きわめてくれないと、投資していいのかどうかもわからない。耳が痛いことを言っているのはわかっているけれど、あなたに訊かれたから、いま私が思っていることを正直に話したわ」
マービンは怒りのあまり口もきけなかった。彼はこう思っていたのだ。
「たった2、3分聞いただけで、おれが何年もかけて磨いてきたアイデアをよくもけなしてくれたな! わかってないのはそっちだ!」
話ができるところまで気を鎮めてから、マービンは怒りの口調で言い返した。「明らかにあなたはこの製品の重要性をわかっていない。私の説明を聞いてそれがわからないなら、この可能性を理解できるほど頭がよくないんだろう」。
彼はさっさと持ち物をまとめて、彼女をまっすぐ見つめ、「損をしたのはそっちだ!」と言い捨てて部屋を飛び出した。
帰宅したマービンは、妻から交渉はどうだったかと訊かれた。妻は、以前にも何度かVCとの交渉が不成功に終わったことや、投資してくれる候補者が尽きそうなのを知っていた。
そして、内心では、交渉がなかなか成功しないので、家計を不安に思っていたのだ。


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