完成した「飲めるたこ焼き」は、いろいろな場面で披露してきた。
「麒麟の川島明さんとも、うちでたこパをして。集まった15人ほどのほぼ全員が関西人。味にうるさい本場の人たちが、東京出身の私が作るたこ焼きを『おいしい、おいしい』と食べてくれる。うれしいけど、とても滑稽な時間でした」(安藤さん)
知人が営む飲食店が移転に際し、開いたパーティでも頼まれてたこ焼きを焼き続けた。まず、閉店した折に9時間。次に移転先で13時間。初回は肘を壊して「野球選手みたいだな」と周りから言われ、2度目は背中が筋肉痛になった。そのエピソードを、安藤さんは真顔で淡々と話す。
誰だって当たり前に「失敗はする」
表情が変わったのは、筆者が「最近は料理の失敗を恐れる人が多い」という話をしたとき。「でも、失敗はするものじゃないですか」と驚きつつ、「飲めるたこ焼き」のレシピ開発に1年かかった話をしてくれた。
「失敗するたび、このやり方はナシだってわかるから、調理法が絞れてきます」と説明し、「一個ハマったらずっと試し続ける。独身の私にとって、料理は娯楽で実験する時間というところがあります。最近はフライパンでご飯を炊くのにハマっています」と言う安藤さん。
『安藤なつの奔放ごはん』で紹介する8つの生春巻き料理も、生春巻きにハマった結果。
「深夜にお腹が空いたときに、ライスペーパーを濡らしてロースハムを敷き、スライスチーズをのせてみたら、モチモチしていてめちゃめちゃおいしい夜食になった。それで、『何を巻いてもいいか』と気づきました」と話しつつ、家族がいる台所の担い手の事情も一生懸命考える安藤さん。


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