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「メモ禁止」目で技を盗んだ2カ月…廃業する「街のパン屋」の蒸しパンを、大手マックスバリュが"パートさんごと"継いだワケ

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平日700〜800個、休日は1200個売れるという「熱海ほていやの蒸しパン」
平日700〜800個、休日は1200個売れるという「熱海ほていやの蒸しパン」。廃業する「街のパン屋」の蒸しパンを、なぜ大手スーパーが継いだのだろう(写真:筆者撮影)
  • 谷口 素子 取材ライター・コラムニスト
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ほていやとしては、「地元の企業に継いでもらいたい」という思いから、マックスバリュ東海を選んだ。

譲渡の条件について、両者とも金額は明かしていない。ただ、ほていや側の関係者は、「店の売り上げの約3カ月分に相当する額だった」と話す。

パンよりふわふわ、蒸しパンよりしっかりめな味わいだ(写真:筆者撮影)

「作業は見て覚えろ」メモも許されなかった

2007年4月、マックスバリュ東海で「ほていや」の営業開始が決まった。蒸しパン作りを引き継ぐため、当時、マックスバリュ東海 熱海店のベーカリー部だった社員2人が選ばれ、ほていやの作業所に約2カ月間通うことになる。そのうちの一人、増井博之さんに話を聞くと、厳しい修業だったと振り返った。

「ほていやさんの蒸しパンはほぼ手作り。それもたった一人の職人が、包装以外を担当しています。朝5時に作業場に入り、13時まで黙々と働く。その間、何も教えてもらえず、『作業は見て覚えろ』といわれていた。一番大変だったのはメモを取ることが許されなかったことです。そのため粉が何グラムとか、発酵に何分などはすべて覚え、就業時間が終わると、すぐにメモをしていました」

今思い出してもあの時は大変だった、と増井さんはしみじみ話す。

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