若者がそう思わざるを得ない理由には、そもそも「結婚のインフレ」があります。結婚できると若者が思える経済条件が物価高以上に高騰しているからです。
2014年くらいまでは、20代の若者は世帯年収300万円台あれば結婚できると思っていたし、実際結婚していました。しかし、そこから10年後の2024年には、結婚に必要な世帯年収中央値は544万円へと40%増です。この間物価指数は14%増であり、結婚に必要な年収はそれを超えるインフレです。当然、若者自身の手取りがそんなに増えたわけではなく、それをクリアできる上位層しか結婚できなくなっているわけです。
とかく昨今の少子化や未婚化を語る時に「若者の価値観の変化」のせいにして安易に逃げる大人がいまだに多いですが、そうした価値観が生成されるに至った「若者を取り巻く環境の変化」にこそ真摯に向き合うべきでしょう。何もないところに価値観だけが生まれるわけがありません。繰り返しますが、「選択的非婚」が増えたのではなく「不本意未婚」が増えたのであり、変わったのは若者の価値観ではなく、若者の環境の方です。
29歳以下の半数以上が「恋愛経験ゼロ」
そして、実は「結婚するつもりなし35.1%」以上に深刻な事実もあります。
2025年に同じくこども家庭庁が調査した「こども政策の推進に関する意識調査」において未婚者(16歳から39歳)の交際状況を調べた項目があります。そこでは、「交際経験なし」の割合が29歳以下男性で52.6%、同女性で41.4%という結果でした。しかも、「答えたくない」という部分を除けば、男性61.6%、女性47.3%にもなる計算です。男女合わせて29歳以下の半分以上がもはや「恋愛経験ゼロ」ということになります。


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