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「二度と来るもんか」から40年、定年直前にミャンマーで起業した64歳が政変の混乱下で高品質ゴマ油を広めた「仕掛け」

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ヤンゴン市内の工場にある生産現場(写真:筆者撮影)
  • 西垣 充 ジェイサット(J-SAT)代表
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大学時代から農業に関わる仕事を志し、加商株式会社(現・豊田通商)に入社しました。入社後は食料・農業関連の業務に携わり、95年には現地法人「Myanmar Kasho Co., Ltd.」の設立に参画。02年までヤンゴンに駐在しました。

最初のヤンゴン赴任当時の市橋さん。ヤンゴンから北へ、イラワジ川ほとりにあるマグウェで(写真:市橋卓也氏提供)

日本への帰任後も約7年間にわたって同分野の仕事を続けるなど、長年、食料と農業に深く関わってきました。

再びヤンゴンへ

2016年には再びヤンゴンに赴任しましたが、自動車関連の仕事が中心となりました。日本への帰任後も同部門への配属が決まっていたことから、定年まであと2年という時期に退職を決意しました。

「残りの人生は、自分の好きなことをやらせてもらおうと思いました」

食料の輸出入に携わっていた頃、市橋さんは「農産物にもっと付加価値を付け、事業化すべきだ」と周囲に語っていました。しかし、そう提案しながら、自らは何も実現できていない。その思いが、長く心に残っていたといいます。

「1995年に駐在した当時は、街を走る車も少なく、携帯電話は高価で、ほとんど普及していませんでした。16年からの2度目の駐在では、車が増えヤンゴン市内は渋滞、ショッピングセンターは多くの人でにぎわうなど、生活環境は20年で格段に便利になりました」

2度の駐在を通じて、市橋さんはミャンマーの生活環境が大きく変化していく様子を目の当たりにしました。一方で、変わらない魅力も感じていました。

「それは、この国が秘める可能性です。とりわけ、多様な農産物を育む大地は、ミャンマーにとってかけがえのない宝物だと思っています」

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