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「事故を防ぐ」から「眠らせる」へ、トヨタが仮眠機器「TOTONE」に挑む理由と越えられない「周囲の目」

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SLOW AND STEADY giraffenap TOTONE
グラングリーン大阪のウェルビーイング施設「SLOW AND STEADY」に置かれた、広葉樹合板の立ち寝ボックス「giraffenap」(左)とトヨタ自動車の仮眠ツール「TOTONE」(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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立ったまま本当に眠れるのかという疑問は、体験の場で解けてきた。昨年の大阪・関西万博に出展した際は、30分単位の予約枠がすべて埋まった。「すごいんですよ。起きないんですね」と山口社長は言う。時間になっても出てこない利用者が続き、起こして回る係が必要になった。

筆者も試した。太もも裏から支えられる感覚があり、立ったままなのに全身の力を抜ける。アームレストを顔の近くまで上げる使い方に最初は戸惑ったが、腕を預けてみると安定感があった。密閉型の筐体で、周囲の音もかなり遮られる。

giraffenapを体験する筆者。顔の近くまで上げたアームレストに腕を預け、尻とすね、足裏の4点で体を支える(写真:筆者提供)

新モデル「YOHAKU」はレンタル専用で、予約・決済・自動施錠の機能を載せた。駅や空港の空きスペースを休息サービスとして収益化する提案で、8月から導入が始まっている。導入企業の中には、アームレストを下げてパソコン台にできる構造を生かし、午前は作業ブース、午後は仮眠室として使い分けて稼働率を上げている例もある。

広葉樹合板が8月に導入を始めたレンタル専用モデル「YOHAKU」を紹介するスライド(写真:筆者撮影)

残る壁は周囲の目

白書によると、勤務先に仮眠スペースや仮眠制度がある人は約2割にとどまり、職場を仮眠を取りやすい雰囲気だと感じる人も27.9%しかいない。仮眠を取る際に気になることの1位は「周囲の目」(54.8%)で、上司の評価や業務の遅れを上回った。

仮眠を取る際に気になることの1位は「周囲の目」(54.8%)で、上司の評価や業務の遅れを上回った(画像:トヨタ自動車)

白書の導入企業調査には「さぼっていると思われるとの懸念が消えず、上位職種の方が実施し効果を示さないとこれ以上は広まらない」という声が収録された。道具と制度が入っても、周囲の目という壁は簡単には消えない。

それでも、トヨタの下山工場では昼休みに加えて15時台に仮眠を取る例が現れた。利用は技術部門から生産ラインへ広がりつつある。

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