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「過小評価していた」。日立エナジーのアンドレアス・シーレンベックCEOは、データセンター(DC)需要の強さについてこう語る。
日立製作所の稼ぎ頭となっているエナジーセグメント。その大半を占めるパワーグリッド事業を担うのが100%子会社の日立エナジーである。2020年にスイスの重電大手ABBから買収した送配事業が中心で、変圧器や高圧直流送電(HVDC)で世界トップシェアを誇る。もともと老朽化設備の更新や欧州における再生可能エネルギーへの切り替えから需要自体は好調で受注残も順調に積み上がっていた。
そこへ、AI(人工知能)の大規模な計算を支えるDC向けが加わったことで、26年度第1四半期(4~6月)のパワーグリッド事業の受注は前年同期比94%増となる1兆8716億円となった。日立エナジーの26年6月末の受注残は10.3兆円と3カ月前から12%拡大した(パワーグリッド事業はほぼ日立エナジーの数字)。パワーグリッド事業の第1四半期の売上高は同35%増の8678億円、調整後営業利益は同45%増の1124億円、調整後営業利益率は12.9%で同2.5ポイント上昇した。
もっとも、受注残が積み上がる状況は、生産能力が追い付いていないことの裏返しであり、喜んでばかりもいられない。DCバブルの懸念はないのか、ハイパースケーラーなどの旺盛な需要にどのように対応していくのか――シーレンベックCEOに聞いた。
バブルの兆候はまったく見えない
――約1年前にもお話を聞きましたが、この1年で状況はどう変わりましたか。
DCを過小評価していた。私が考えていたよりも(需要は)はるかに大きい。今も非常に活況だ。バブルの兆候はまったく見えない。DC建設の観点からも、顧客の行動からも、だ。むしろ、一段と加速していると言える。
――DC向けの需要は強く、受注残が積み上がるばかりです。24~27年に60億ドル(約9300億円)を投じ、変圧器工場などの新設・拡張を進めていますが、さらなる投資拡大が必要では。
私たちの投資方針はかなり保守的だとされるが、事業として確実に成立する案件にしか投資しない。拘束力のある注文や生産能力の予約、あるいはフレームワーク契約(長期的な契約の基本契約)を結ぶ意思のある顧客が十分にそろい、それが1つの投資を行うのに十分な規模になれば、そこで投資を行う。
設備投資計画が「足かせ」になっているということはない。それよりは、投資を裏付けるだけの顧客や受注を確保できるかどうかが重要だ。適切な工場に、適切な機械を確保できるかなどもネックになるかもしれない。
もちろん、もっと投資する必要があればそうする。現在、既存拠点の拡張と新規拠点の建設を合わせて、44カ所以上の建設サイトを抱えている。これでもすでにかなりの数だが、状況はつねに変化している。
記事の続きでは、設備投資増額の可能性、DC向けビジネスの特徴、新戦略となるEaaSへの取り組みなどをお読みいただけます。