日立製作所が、4月1日から定年後再雇用者に対して新たな処遇制度を導入した。再雇用者に対しても職務内容に応じた「ジョブ型」処遇を採用し、定年前と同一の報酬制度と水準を維持できるようにする。
「今後、定年を迎える従業員が増加していくことが見えている。さらに、事業上のニーズも強く感じたため、今回制度の見直しを行う」(人事を担当する執行役常務の瀧本晋氏)。3月半ばの春闘交渉の結論の説明会で、今後の人材戦略の一環としてシニア社員の処遇を見直す理由をそう説明した。
定年後、管理職を続けるケースも
日立の定年は60歳だが、希望すれば全員64歳まで再雇用される。2024年度からは継続雇用の上限年齢を段階的に延長し、70歳まで就労が可能となる制度を設けている。日立によると、65歳に達した人の7割超が継続雇用を希望し、ほとんどが実際に継続して働いている。特定の職種に偏っていることはなく、どの職種でもまんべんなく再雇用者が在籍しているという。
従来は、定年前の報酬が職務内容に基づいているのに対して、再雇用後は職務や異動範囲が限定された個別設定となっており、定年前の報酬から下がるケースが多かった。
今回の見直しによって、部長クラスであれば、1450万〜2000万円(理論年収、賞与や諸手当除く)、課長クラスだと約1150万〜1500万円(同)といった定年前の報酬水準を維持することも可能になる。
もともと同社では役職の年齢制限は設けておらず、再雇用後に事業部長や部長などの管理職に従事するケースもあるとしている。また、異動の制約も撤廃し、再雇用者でもグループ公募などの対象にもなるという。4月時点では約2300人が見直しの対象となる。
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【大量定年で技能継承が課題に】
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