「あなたには教育を受ける権利がない」――高校3年生の時、僕は社会から見放されたような、居たたまれない気持ちになりました。
僕は元ヤングケアラーであり、生活保護世帯で育ちました。そんな僕が大学進学を目指したとき、大きな壁が待っていたのです。
進学のために必要な「世帯分離」をすると、生活保護費が減少し、家族の生活が苦しくなる。それを巡って両親と激しく対立し、最終的には警察沙汰にまで発展してしまいました。
さらに苦労の末に東大へ進学した後も、生活費のために必死でアルバイトをしたら今度は「所得あり」とみなされ、奨学金や授業料減免が打ち切られて振り出しに戻るという現実に見舞われました。
なぜ、生活保護世帯の子どもが大学を目指すと、これほどの苦労があるのでしょうか。
大学進学は「贅沢」ですか?
まず、現在の日本では、生活保護を受給しながら大学に進学することができません。なぜならば、生活保護制度は「最低限度の生活」を保障するものであり、大学進学はそれに含まれないと考えられているからです。
このような考え方は、1963年の厚生省社会局長通知に基づいて生まれたものであり、60年以上が経過した現在においても政府見解として維持されています。



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