63年当時においては、大学・短大への進学率が15.4%だったため、「大学進学は贅沢」という考え方は、一定の合理性があったかもしれません(参考)。しかし2025年においては、大学・短大への進学率は61.4%に達しており、専門学校などの高等教育機関を含めると、85.4%に上ります(参考)。
このように大多数の人が、大学・短大・専門学校等に進学するようになっているにもかかわらず、「それらは贅沢である」と、生活保護世帯の子どもたちの教育機会を奪うことは、僕にはとても非合理的に見えます。
普通科の高校に通っていた僕の場合は、周囲の99%が、大学・短大・専門学校に進学する環境でした。「生活保護世帯の子どもが大学に進学することは贅沢だ」という考え方を知ったときは、まるで「あなたには教育を受ける権利がない」と社会から見放されたような、とても居たたまれない気持ちになりました。
「世帯分離」をすれば、大学に進学できる
ただし、生活保護世帯の子どもたちにも、大学に進学する方法はあります。
それが「世帯分離」と呼ばれる制度です。これは、進学者本人を生活保護の対象から外す制度です。これを利用すると、進学者本人の生活扶助費や医療扶助費が支給されなくなる代わりに、大学に進学できるようになるのです。
しかし、この制度には非常に深刻な構造的問題があります。
それは、「子どもが大学に進学すると、生活保護費が減ってしまうこと」です。
子どもが大学進学を希望し、世帯分離を行うと、その親に支給される生活保護費が、その分減額されてしまいます。そのため、親が子どもの大学進学に反対したり、子どもが親に配慮して大学進学を諦めたりするなどの問題が発生するのです。


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