また、「通常は、天ぷら、油揚げ、わかめ、ネギが入っていますが、暑い時期の6〜9月はネギや油揚げがダメになりやすいので、なくしてます。その分、わかめを増やすなどしています」とのこと。年に2・3回、1週間だけそばにしたり、数カ月に1回、油揚げ(きつね)にしたりもしているそうだ。
さらに話を聞くと、これらの自販機は、オーナーの大久保さんの父親が1980年代に始めた事業だとのこと。
「実は、寒川と三島にある2台以外に、大王製紙の会社の中に3台設置しています」
大王製紙は愛媛県四国中央市に本社を置く大手製紙メーカー。この辺り一帯に工場がたくさん立ち並んでいる。約40年前、最初にうどん自販機を設置したのは、大王製紙の社内だそう。当時はコンビニもなく、高度経済成長期後で、深夜の残業などに大変重宝されたようだ。そのうち3台が今も現役で活躍している。
「これらで合計5台。それ以外にあと5台、予備の自販機があります。故障すると、そこから部品取りをしているんです。全盛期は20台くらいありました。父の時代には、約13台が稼働したこともありますね」
ずらりと並ぶレトロ自販機の姿はさぞかし圧巻だったろう。古い機械はもう製造されないため、ほかの同機から部品取りして修理していくしかない。古い鉄道車両とまったく同じやり方である。どちらも長生きしてほしい。
レトロ自販機は撤去が進む
実は2026年5月、四国の徳島県阿波市にある「コインスナック御所24」のレトロ自販機が撤去されてしまった。こちらは私のルールでは行けない場所なので除外していたが、以前、一度だけ車で行ったことがある。
貴重なボンカレーの自販機(出てくるのはボンカレーではなかったが)、うどん自販機ほか、珍しいレトロ自販機があったのだが、どうやら老朽化のため壊れてしまったようで、今では食品のレトロ自販機がすべて撤去されているそうだ。
昭和の鉄道もレトロ自販機も、いつまでもあると思ってはいけない。いつか乗ろう、いつか食べよう、と思っているだけでは「いつか」は来ない。思い立ったらすぐ行動することをおすすめする。

