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ビジネス #鉄道最前線

どの国も「見た目そっくり」欧州鉄道の新車導入事情 各社が独自デザイン競う日本と何が違うのか

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ドイツのシーメンスが製造・販売する機関車「ヴェクトロン」。注文数は2000両に達する(撮影:橋爪智之)
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近郊用車両は、機関車よりもモデルチェンジの周期が短く、派生型も多い。シーメンスの代表的な車両の一つである「デジーロ」は、1998年から生産されている近郊用車両シリーズだ。ただし、引き継いでいるのは名前くらいで、最初期の車両と最新の車両では全くの別物だ。

最初期のタイプ(デジーロ・クラシック)はディーゼルカーとしても電車としても製造可能な連接式車両であった。ディーゼルカー300本以上を発注したドイツ鉄道を筆頭に、今も各国でその姿を見ることができる。

レディメイド車両の先駆け的存在の「デジーロ・クラシック」。写真はオーストリア鉄道の車両だ(撮影:橋爪智之)
ドイツ鉄道から引退した後、民間鉄道会社で活躍する「デジーロ・クラシック」(撮影:橋爪智之)
【写真を見る】オーストリアで活躍する「デジーロML」。名前は同じでも「デジーロ・クラシック」とはまるで別の車両だ

一方、デジーロの名前を冠しながら、普通のボギー車で誕生したのが、イギリス向けの「デジーロUK」で、デジーロ・クラシックと共通性はなかった。このモデルは「デジーロ・シティ」へモデルチェンジしている。

デジーロ・クラシックの実質的な後継車両は、やはりボギー車のデジーロMLとなった。オーストリアやベルギー向けに大量生産されたが、2016年に後継の「ミレオ」へ引き継がれ、すでに生産終了している。現在、デジーロの名前は、イギリス以外では2階建てのデジーロHCだけに引き継がれた。

メーカー買収で消えた人気車種も

デジーロの対抗馬といえるのが、アルストムの「コラディア」で、都市間輸送から近郊輸送まであらゆる仕様に対応したプラットフォームだ。最初期の「コラディア A TER」は、単行の気動車で、フランス国鉄以外にドイツ鉄道も開発協力した。その後、多くの派生車種が生まれたが、現在の最新モデルは連接式の「コラディア・ストリーム」と、2階建ての「コラディア・マックス」だ。

「デジーロ」の対抗馬はアルストムの「コラディア」。写真は2階建ての「コラディア・マックス」(撮影:橋爪智之)

興味深いのは、シーメンスのデジーロHCは編成の中間車両が2階建てなのに対し、コラディア・マックスは両端の車両が2階建てとなっている点で、設計思想の違いが見られて面白い。

一方で、一時は大きな勢力を誇っていた旧ボンバルディアの連接電車「タレント」は、アルストムによる買収のあおりを受け、プラットフォーム自体をスペインのCAFへ売却して消滅した。最新車両だった「タレント3」は、オーストリア鉄道が発注していたが、認証の遅れなど納期を守れず、契約が破棄されて採用が見送られるなど、不遇の最後を迎えてしまった。

【写真を見る】どの国も「見た目そっくり」欧州鉄道の新車導入事情 各社が独自デザイン競う日本と何が違うのか(24枚)
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