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「血糖値が高め」の人へ、痩せなくても改善できる? "薬物療法に匹敵"する効果も、最新研究でわかった「筋トレ」の実力

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ジムでトレーニングする人々
有酸素運動だけでなく筋トレも血糖値のコントロールに有効だということがわかってきた(写真:maroke/PIXTA)
  • 庵野 拓将 理学療法士、トレーナー、博士(医学)
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ミュンヘン工科大学のハバースらはメタボライト・スチール(栄養の横取り)という興味深い説を紹介しています。

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筋肉が大きくなろうとするとき、その材料として大量の栄養素が必要になります。筋肉を1kg増やすには、大量のアミノ酸や、それを作るためのエネルギー(糖分など)を血液中から取り込まなければなりません。つまり、大きく成長しようとしている活発な筋肉は、血液中の余分な糖や脂質をどんどん「横取り」して、自分の材料にしてしまうのです。

その結果、脂肪細胞に行くはずだった栄養が筋肉に回され、脂肪は縮小し、血糖値は下がるというわけです。ハバースらの分析では、人間において筋肉量が約1.9~3.3%増加すると、脂肪量が約4.1%減少し、空腹時血糖値が約5.8%も低下することがわかっています。

筋肉は単なる「動くためのエンジン」ではありません。それ自体が巨大な「糖分の貯蔵庫」であり、エネルギーを浪費する「代謝臓器」なのです。

科学が導き出した「糖尿病対策の方程式」

ここまで、筋トレが糖尿病改善にいかに効果的かを見てきました。では、具体的にどのようなスケジュールで進めれば良いのでしょうか。最新エビデンスが示す戦略は、次の方程式に集約されます。

【糖尿病改善の方程式】
効果=環境(ジム)×頻度(週3回)×強度(筋肥大)
1.環境:場所は「ジム」を選ぶ

自分を律し、適切な負荷をかけるには、環境を変えることが成功への第一歩です。家トレで効果が出なくても、ジムなら結果が変わるかもしれません。

2.頻度:黄金の頻度は「週3回」

多くの研究が示唆するベストな頻度です。ワンらの解析で、週3回の頻度で行う筋トレが、空腹時血糖値やHbA1cを最も効果的に低下させることが示されました。週1~2回では効果が弱く、まずは週3回を目指しましょう。

3.強度:狙うは「筋肥大」

「糖尿病があるのに、重い物を持っても大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、ベルグらの研究が示したように、血糖値改善に最も効果的だったのは筋肥大トレーニングでした。これは、一般的に「8~12回持ち上げるのが限界」という重さで行うトレーニングです。回数を多くこなすだけの軽い運動(筋持久力トレーニング)では、HbA1cの明確な改善は見られませんでした。

4.心構え:体重が減らなくても気にしない

筋肉は脂肪より重いため、筋トレを始めると体重が変わらないこともあります。しかし、体内では炎症が治まり、血糖値が下がり、代謝が改善しています。体重計の数字よりも、血液検査の数値を信じましょう。

筋トレは、あなたの身体が持っている「血糖値を下げる力」を呼び覚ますスイッチです。薬に頼る前に、あるいは薬と並行して、自分の筋肉という頼れる味方を育ててみてはいかがでしょうか。

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