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まったく予想だにしなかった“乱入”だった——。この夏の映画市場に、みるみるうちに興行収入を伸ばした、かわいいアニメが出現した。『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』だ。
7月24日に公開された同作は、8月23日に興収が110億円に達し、圧勝だったはずの『トイ・ストーリー5』(累計121億円)を射程に捉えている。3週間遅れで公開されたシンプルな線のアニメが、ディズニーとピクサーが30年かけて育て上げたCGアニメのシリーズ作品を追い抜こうとしているのだ。
ちいかわのヒットは映画市場の構造変化を示唆する
7月に私は『トイ・ストーリー5』『キングダム 魂の決戦』がこの夏の映画市場を席巻するという記事を書いた。配信サービスがすっかり普及し、シリーズ作のヒットを加速させていると解説した。
実際、今夏はこの2作以外に『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』『ミニオンズ&モンスターズ』も含めて、シリーズ作品が映画館を賑わせた。そんな中で、6月からじわじわ伸びていた『マイケル』が夏休みも引き続きヒットとなったのは大きな番狂わせだった。『THIS IS IT』をはじめ、マイケル・ジャクソンの過去の映像があちこちで配信されているのがシリーズ作品的に作用したかもしれない。
だが、『映画ちいかわ』のヒットは、これらのシリーズ作品とは趣が大きく異なる。ヒット作が、どこで、誰の手によって生まれるのか、映画市場の構造そのものが変わりつつあることを示す出来事だと筆者は考えている。


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