年をとることは、持っている力を失うことではありません。使う武器が変わるだけです。そしてその武器は、あなたが今日学んだことによって、確実に磨かれ続けます。
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高齢者の前頭前野が若者よりも活発である理由
新しいことを覚えようとするとき、「若いころより時間がかかるようになった」と感じることがあるかもしれません。
確かに、処理速度や作業記憶は年齢とともに少しずつ落ちていきます。ところが、脳はそれを黙って受け入れているわけではありません。衰えを察知すると、それを補うための新しい回路を自発的につくり始めるのです。
テキサス大学ダラス校のパークとミシガン大学アナーバー校のロイターローレンツは、「加齢と認知に関するスキャフォールディング理論(STAC)」を提唱しました。
この理論の出発点になったのは、一見すると矛盾するように思える発見です。脳の構造や神経の機能が加齢とともに低下しているにもかかわらず、機能的な脳スキャンを撮ると、高齢者の前頭前野の活動が若者よりも活発になっていることが観察されました。
前頭前野は、論理的に考える、計画を立てる、注意を向ける、感情をコントロールするといった、いわば「司令塔」の役割を担う部位です。老化によって脳の各部が弱ってきたとき、この司令塔が活発に動いて、衰えた部分の仕事を肩代わりしようとしていたのです。この現象を「補償的スキャフォールディング」と呼びます。
「スキャフォールディング」とは、建物を建てるときに使う「足場」のことです。工事中は足場に頼って高い場所での作業を可能にし、建物が完成したら足場を外しますが、脳がおこなっていることも、これとよく似ていました。あるタスクをこなすために普段使っている神経回路が弱くなったとき、脳は補助的な別の回路を動員して同じ目標を達成しようとします。


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