教育現場で、いま激しく交わされている議論
みなさんは、「認知能力」と「非認知能力」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか? ここ数年、教育業界でこの2つの能力をめぐる議論が盛んに交わされています。
認知能力というのは、英語・国語・数学・理科・社会といった、いわゆる「ペーパーテストで測れる学力」のことです。テストで何点を取ったか、偏差値がいくつか、といった数字で表せる力です。
一方、非認知能力というのは、共通のものさしで測るのが難しい、いわゆる「人間力」や「心の力」のことです。忍耐力、コミュニケーション能力、粘り強さ、好奇心、共感力……そういった、テストの点数には出てこない力のことです。
で、この2つをめぐって、教育現場ではおおむね次の2つの立場が対立しています。
一方は、「非認知能力のほうが大事」派。学力がいくら高くても、社会に出て使える人材になれるとは限らない。むしろこれからの時代は、人間力・心の力のほうが決定的に大切なのだ、という立場です。
もう一方は、「認知能力のほうが大事」派。非認知能力なんて、そもそも測れないもの。測れないものを教育の柱に据えるのは危うい。それより、読み書きや計算といった、確かに身につく認知スキルのほうがずっと大事なのだ、という立場です。
そして、この議論と密接に結びついて、こんなことがよく言われます。
「一般入試で測るのは認知能力、推薦入試で測るのは非認知能力」
一般入試は学力テストなんだから認知能力の勝負、推薦入試は活動実績や面接なんだから非認知能力の勝負。
なんとなく、そう言われると納得してしまいそうになる整理です。でも、僕はこの整理そのものが、実は教育の本質をかなり誤解させていると思っています。



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