さて、話は反対側にも及びます。「推薦入試で受かる子=非認知能力の塊、認知能力は低め」というイメージも、実は同じくらい怪しい話です。
「推薦組=勉強ができない」は大ウソ
『総合型選抜・学校推薦型選抜の新しい教科書』を上梓した推薦入試の第一人者である孫辰洋さんは、次のことを述べています。
「学力が低くて、読書を全くしていない人でも推薦入試に合格できるというわけではありません。それは大きな勘違いです。推薦入試に合格するためには、多少質は違っていても、一般入試的なスキルも鍛える必要があります」
推薦入試で問われるのは、活動実績や面接、志望理由書などです。でも、そこで評価されるのは、単に「頑張ってきたエピソード」ではありません。自分の経験をきちんと言語化できるかどうかが、いちばん見られているんですね。
「なぜその活動をやろうと思ったのか」 「その活動を通じて、自分は何を学んだのか」 「これから大学で、それをどう発展させたいのか」
こういう問いに、筋の通った日本語で答えられるかどうか。志望理由書で、論理の通った文章を書けるかどうか。面接で、質問の意図を的確に読み取って答えられるかどうか。
これらは全部、読書量や、これまで学んできた知識の厚み――つまり認知能力――に支えられた力なんです。
だから、乱暴な言い方をすれば、「推薦入試で受かるやつは、一般入試でも、やろうとすればちゃんと受かる」タイプがけっこう多いんですね。少なくとも、「認知能力がゼロだから推薦に逃げた」というルートで受かる子は、実際にはほとんどいない。
「推薦入試=ラクな抜け道」というイメージも、現場の感覚とは、かなりズレているのが実態なんです。


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