PEによる刑務所略奪の象徴が、プラチナム・エクイティ(大富豪トム・ゴアズが率いるPE)が所有する刑務所通信最大手「セキュラス・テクノロジーズ」のビジネスモデルである。
セキュラスなどのPE傘下企業は、刑務所の通信網を独占する特権を得るため、自治体(刑務所側)に対して「通話キックバック(分け前)」を支払う契約を結んでいる。
通話料の最大80〜90%もの莫大な資金がキックバックとして地方政府や刑務所側に還流されるのだ。
この歪んだ癒着構造の結果、刑務所側は通話料金の「引き下げ」ではなく、むしろPEファームと結託して「引き上げ」を歓迎する仕組みになっている。
「家族との絆」は集金の障害
この結果、受刑者が家族や弁護士にかける電話代は天文学的に高騰した。多くの州で15分の通話に12ドル以上、アーカンソー州などの刑務所では実に25ドル(約3900円)もの法外な料金が請求されるようになった。
さらにPEは、クレジットカードでの支払い、口座維持、明細書処理などの名目で、数十種類もの不透明な手数料を上乗せして徴収した。
この法外な電話代を負担しているのは、受刑者の多くが所属する貧困層や労働者階級の家族、とりわけ帰りを待つ母親や妻たちである。受刑者家族の約3分の1が、電話代を支払うために借金を重ねているという凄まじい実態がある。
さらにセキュラスは、高額な「有料テレビ電話システム(10分約13ドル)」を刑務所に導入させる際、契約書に驚くべき条件を盛り込んだ。刑務所における、家族との物理的な「無料の対面面会を全面的に禁止する」という条項である。
ある母親は、アクリル板越しですらなく、何マイルも離れた場所からフリーズや音声途切れが多発する小さな画面を通してしか息子と「面会」できなくなった悲痛な体験を語っている。
受刑者の更生と再犯防止に最も不可欠な「家族との絆」すら、PEファームにとっては単なる集金の障害であり、有料サービスに置き換えるべきビジネスチャンスに過ぎないのだ。


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