近郊鉄道はブリスベン中心街から北へ6方面、南へ4方面への路線があり、多くの列車は郊外から中心街を通り抜けて反対側の郊外へ直通する。中心街ではおよそ5分間隔、郊外では約20分間隔程度の運転となる。北への路線のなかにはケアンズへ続く路線、南への路線のなかにはシドニーへ続く路線(現在は一部バス代行)も含まれ、その路線の近郊区間のみを生活のための電車が運行している。
車両はオーストラリア国産の3両編成を2本連結した6両編成と、ドイツ製6両編成があり、末端区間のみの列車や昼間時の一部の列車は3両編成である。車内はクロスシートだが、ドイツ製車両の中間2両はおもに自転車持ち込み用のロングシートで、トイレもある。
南東へ行く路線はリゾート地のゴールドコースト行きで、急行運転も行われている。この列車はブリスベン空港―ブリスベン中心街―ゴールドコーストを直通、2時間弱を要し、観光客も多く利用するので、トイレ付き車両が集中的に運用されている。
174km先まで乗っても60円
ブリスベンの交通で特筆されるのは何といってもその運賃の安さで、近郊鉄道はどこまで乗っても0.5オーストラリアドル(60円弱)の均一運賃で、乗り換えが必要な場合でも乗換駅で改札を出なければ同料金である。市内中心地からゴールドコーストへは急行で1時間以上を要する。北部行きは最も遠い行先は174km先、それでも運賃が60円弱とは破格といえる。
乗車券は「ゴーカード」というIC乗車券を使うことが条件で、最初に10オーストラリアドル(1200円弱)のデポジットが必要である。すべての区間が60円弱で乗車できるのではなく、ブリスベン空港駅(国内線と国際線の2駅)の改札口を通ると日本円で2000円以上が引き落とされる。多くの旅行者は空港を出入りするので、到着して出発することで4000円以上が必要で、ブリスベンの入場料のようなものかと思う。空港行きの車両だからといって特別な車両ではなく、ほかの路線と同様である。

