神保町交差点から白山通りを南に5分ほど歩くと、国の登録有形文化財に登録された1928年創立の学士会館がある。現在は老朽化による改修工事のため囲いに覆われているが、歴史的建造物の一部を垣間見ることができる。
その北側の五十通りを東に歩くと、江戸時代に徳川家から信仰されていたと伝えられる五十稲荷神社(榮壽稲荷神社)が、ビルの合間に鎮座する。
そこから靖国通りを渡って北に少し歩けば、室町時代に建立され、慶長11年に江戸城の改築で移転した太田姫稲荷神社がでんと佇む。
どちらも街の喧騒とは別世界のような静謐な空気に包まれ、参拝者がひっきりなしに訪れていた。
そこから明大通りを渡って北西に進むと、昭和の文豪に愛された山の上ホテルがある。文化的遺産としても評価される1937年に建てられたアールデコ様式のホテルは、川端康成や三島由紀夫、池波正太郎ら多くの文豪たちが執筆活動の定宿として愛用した。しかし、建物の老朽化のため2024年に休館。現在は外観をそのままにする改修工事のため囲いに覆われている。
少し高台になるその場に立つと、爽やかな風が吹いた。文化人たちの息吹を感じるような穏やかな気持ちになれる。
昭和のバンドブームに沸いた楽器店街も健在
山の上ホテルから明大通りをJR御茶ノ水駅に向かうと楽器店街がある。
昭和のバンドブーム全盛期は、ギターやベースを肩から下げ、エフェクターケースを手にする若者たちであふれていた一帯だが、現在は再開発による街並みの変化とともに、店舗は減っている印象だ。
それでも、島村楽器、イシバシ楽器、クロサワ楽器、ギタープラネット、オーディオユニオン、シモクラセカンドハンズなどおなじみの楽器店が軒を連ねる。かつては通り全体に楽器の街のインパクトがあったが、現在は通りの一角に収まっている。


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