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「片づけて」そう言っただけなのに、子どもがまったく動かない。
床には脱いだ服。机の上にはプリント。ソファにはランドセル。
子どもはYouTubeに夢中。
「ねえ、片づけて」「聞いてる?」「早くして」
「何回言えばわかるの?」
最初は普通に言っていたはずなのに、気づけば親子バトルになっている。
そんな経験はありませんか。
子育てに困って相談しても、
「声かけを工夫してみてください」「もっとわかりやすく伝えてください」
「褒めて伸ばしましょう」と言われる。
でも、親御さんが本当に知りたいのは、そんな一般論ではないはずです。
「この場面で、私は何て言えばよかったの?」そこではないでしょうか。
脳科学をベースに、家庭でできる発達支援を提案してきた吉野加容子氏の新刊『
発達障害・グレーゾーン 子育て大変だと思ったら これ、言ってみて!』では、子どもの困った行動を「性格」や「わがまま」ではなく、「脳の特性」から捉え直し、日常で使える声かけに変える方法を紹介しています。
今回は本書から、何度言っても片付けない子、発達障害・グレーゾーンの子に届きやすい「シンプル・ディレクション」という声かけを紹介します。
「片づけて」が発達障害・グレーゾーンの子に通じにくい理由
前回の記事では、いきなり指示を出すのではなく、まず子どもの「今」に興味を示し、耳を開くことが大切だとお伝えしました。
その次に必要になるのが、シンプル・ディレクションです。
これは、親からのお願いや提案を、子どもの脳に届くくらいシンプルにして伝える方法です。
たとえば、子どもはYouTubeに夢中。部屋は散らかり放題。
親としては、当然こう言いたくなります。
「部屋を片づけて」
けれど、この言葉が子どもになかなか通じないのには理由があります。
子どもにとって「片づける」は、実はとても複雑な行動です。
まず、片づけようと決める。
次に、何から片づけるかを考える。
服、本、プリント、おもちゃ、ランドセルをどう分けるかを計画し判断する。
そして、実際に体を動かす。
つまり「片づけて」という一言の中には、いくつもの脳の処理が詰まっているのです。
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