さらに、就寝スペースはこれだけにとどまらない。ダイネット(対座席)のテーブルを取りはずし、ソファをフラットに展開するなどで大人2名ぶんのフロアベッド(1850×1100mm)に早変わりする。加えて、運転席上部のバンクベッドも、停車時にフロア部を拡張することで大人3名ぶんの就寝空間(1950×1600mm)が出現する。
コンパクトな車格でありながら、乗車定員(5名)を超える「最大6名」の就寝スペースを確保できた背景には、こうした緻密な空間設計とギミックの追求がある。
シャワー&トイレについて
アオサギのように全長5mを下まわるコンパクトなキャブコンにおいて、独立した「マルチルーム」を備えたモデルは決して多くない。室内には洗面台とシャワーを備えており、電動ボイラーシステムによって温水供給にも対応する。
さらに車載用ラップ式トイレ「ラップル タイプB」を標準装備した点も特徴だ。水を使わず排泄物を1回ごとに特殊フィルムで熱圧着・個包装する仕組みで、汚物タンクの洗浄ストレスを解消すると同時に、臭いや菌を封じ込める高い衛生性を実現している。
特筆すべきは、このトイレの格納・設置ギミックだ。走行時やシャワー使用時は半常設ベッド下の収納スペースに格納しておき、使用する際のみ仕切り板を開けてマルチルーム内へスライド移動させる構造を採用している。
あえて可動式とした背景には、2つの明確な理由がある。ひとつは、シャワー使用時の水濡れによる電動トイレの故障リスクを回避すること。もうひとつは、非使用時にマルチルーム内の空間を最大限に確保することだ。
限られた車内スペースという制約のなかで、快適性・衛生面・製品保護を高次元で両立させた、実に合理的な設計思想が見て取れる。


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