最新のスマホに例えるとわかりやすいでしょう。電源ボタンを押した瞬間、「すぐにOSが立ち上がり、作業ができる状態になる」あの感覚です。素早く正解を口にできるかどうかではなく、問いかけた瞬間に、内側でもう圧倒的なスピードで考え始めているかどうか。ここが決定的に違います。
すぐに答えられる子が優秀なのではありません。むしろ、しっかり考えてから話す子も多いのです。ただ、答えが出るまでに時間がかかっても、内側ではもう高速で思考が走り始めている。言葉にはできなくても、「考えている表情」をしている。これがほぼ共通して見られる特徴です。
「考えている子」の目は、一点でピタッと止まる
子どもというのは、内面の状態がすべて表情に出ます。長年子どもたちを見ていると、言葉が出る前の「顔つき」だけで、今この子の脳内で何が起きているかが手に取るようにわかります。長年子どもに接してきた先生なら、同じように感じているはずです。頭の中に膨大な「子どもの表情のデータベース」ができあがっており、目の前の子どもをそこに照合しているのです。
思考のスイッチが入っている子は、一見すると静かです。しかしよく観察すると、目が一点にピタッと止まり、少しの「間」が生まれます。顔の中で微細な変化が起きている。外から見ると止まっているようでいて、内側では情報がものすごい勢いでつながっている状態です。
逆に、考えていない子はどうか。「えーっと……」と言いながら視線がキョロキョロと定まらない。質問の意図を深く咀嚼する前に、思いつきの単語をポンポン口にする。あるいは思考回路がショートしたようにポカーンとフリーズしてしまう。


※ログイン後、コメント入力が可能です。