そこで彼は、幸せは「summum bonum」と断定した。ラテン語でsummumは「最高」という意味でbonumは「よい」という意味だ。つまり、幸せとは、最高の善になるということである(McMahon, 2006)。
「幸せが最高の善である」という基礎の上に、現在の幸福研究は成り立っている。
この観点から見ると、すべての行為は幸せを手に入れるための手段だ。
日常のことがらはそれ自体が目的ではなく、幸せを勝ち取るための過程あるいは手段である。
サンタクロースの正体は「父親だ」
でも、この考え方はある哲学者が持っていた個人的な見解にすぎず、科学的に証明された事実ではないことを強調しておきたい。
見解と事実は明白に異なる。地球は平らだというのは中世の支配的な見解だったが、事実は違う。
事実ではない考えを正すことが科学の魅力であり役割だ。もちろん、この過程で生じる葛藤は大きいだろう。
約500年前コペルニクスの地動説で地球が宇宙の中心ではないことが明らかになったが、当時は多くの人々に衝撃を与えた。
世界を正しく理解するためには、まず基本的な事実を冷静に受け入れるべきだ。たとえば、サンタクロースの正体が「自分のパパだ」という事実を。
もう1つは、目的論的思考を克服すること。
カリフォルニア工科大の著名な物理学者キャロルの表現どおり「私たちはなんの理由もなく宇宙に暮らしている」ことを受け入れるべきだ。そうしないと、世界を客観的に理解できない。
世界は誰かの計画や目的によってつくられているのでもないし、人間はもっと賢くなるために生きてきたのでもない。
物理的な法則と化学反応によって発生したのが宇宙であり、生命であり、人間だ。
その過程にはなんの目的も理由もない。
人間は数千個の部品からなる時計よりも複雑な存在だが、この複雑さは超自然的な力の存在を証明するものではない。


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