実際、その効果はすさまじく、ボンボンドロップシールの配布日の興行収入は、公開初日の約9.9億円に迫るほど。夏休み映画を象徴する『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション』や映画『ミニオンズ&モンスターズ』などの大作に追いやられることなく、1日あたり4~5億円程度のペースで興収を伸ばし続けている。
リピーターを育てながら、新規ファンをしっかり獲得
リピーター施策が高い効果を発揮しているが、一方で映画そのものがきっかけで「初めてちいかわを観た」という人も少なくない。かく言う筆者もストーリー自体は把握していたが、アニメを観たのは映画が初めてだった。
そもそも、ちいかわは2017年5月に作者のナガノさんがXで投稿した「こういう風になってくらしたい」という1ページマンガからはじまった。読みやすいマンガのスタイルになって以降、最新話は常にXで公開されている。
つまり、Xユーザーがコアターゲットであり、普段Xを利用しない人やまだ登録可能な年齢に達していない人は新規参入しづらい状況があったのだ。
朝のニュースで放送されるアニメは、登校前の子どもでも触れやすいものの、忙しくて朝のテレビをゆっくり見る暇がない人も多いだろう。積極的に見逃し配信でチェックする習慣でもなければ、ちいかわアニメは観たことがないという人も少なくないはずだ。
だからこそ、「映画」というコンテンツがちいかわ自体の“新規層の獲得”にも多大に寄与しているのだ。実際、映画が始まった後しばらくは、主要キャラがどんな感じか自然と伝わるような演出になっている。
ということで、実際に「映画をきっかけに初めてちいかわを観た」という人に話を聞いてみた。
ちいかわ映画はキャラクターや世界観を知っている前提でストーリーが展開されるため、「喋るキャラ少なくない?」など、引っかかりが多くて最初は入り込めなかったそうだ。しかし、話が進むにつれ「よくできているストーリーだな」と感心させられたという。鑑賞後、大人が“その後”を悶々と考える一方で、子どもはかわいいキャラクターたちの大冒険をシンプルに楽しめる構成が良いと感じたそうだ。


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