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(前編の続きです)
「ボンド木工用」と聞けば、多くの人は黄色いボトルを思い浮かべるだろう。
学校の図工、壊れた家具の修理、子どもの工作――。コニシが製造・販売するボンドは家庭で使う接着剤の代名詞として、日本人の暮らしに深く根付いてきた。
ならば、コニシは「ボンド木工用」を主力とするBtoC企業なのだろうと思いきや、実際には違う。家庭向け商品の売り上げは、コニシ全体の1割程度にすぎない。残る約9割は、住宅、自動車、電子部品、橋梁、トンネル、高速道路など、日本のものづくりや社会インフラを支えるBtoB事業だ。
接着剤メーカーではなく、「接着技術」の会社。その姿は、私たちが抱く「ボンドの会社」というイメージとは異なっている。
「ボンド博士」が変えた、商社の運命
ボンド木工用で知られる以前、同社は工業アルコールや化学品を扱う商社だった。しかし戦時中、国家統制によって商社は販売の自由を失う。メーカーの商品を扱うだけでなく、自社商品を作らなければ――。その危機感から、戦後は製造・開発業に乗り出す。
その中心人物となったのが、のちに「ボンド博士」と呼ばれる研究者・沖津俊直だった。


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