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「ボンド木工用」は主力商品じゃない?! 接着剤大手「コニシ」の"知られざる稼ぎ頭" 老舗企業がたどり着いた現在地とは

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内装工事でボンドを伸ばす現場作業員
「ボンド」を製造するコニシは、日本のものづくりや社会インフラを支えるBtoB企業だ(写真:天空のジュピター/PIXTA)
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コニシは単に製品を販売するだけではなかった。家具メーカーや建具店、建築関係者を対象に「木工接着技術講習会」を全国で開催し、接着方法や施工技術まで含めて提案を続けた。

接着剤は、一度採用されれば、製造現場や施工現場の工程に組み込まれていく。だからこそ、製品そのものだけでなく、用途に応じた使い方や接着技術まで含めて提案していった。結果的に、単なる材料販売にとどまらない営業スタイルが、同社の強みになった。

こうして「ボンド」は、家庭用品としてだけでなく、建設現場で使われる業務用資材としても存在感を高めていく。この時代に築いた建築業界との信頼関係は、後に住宅補修やインフラ補修へ事業領域を広げるうえで、大きな土台となった。

「建てる時代」から「守る時代」へ。市場が求めた接着技術

高度経済成長期、日本では住宅だけでなく、道路や橋梁、トンネルなどの社会インフラも次々と整備された。接着剤メーカーにとっても、まさに追い風の時代だった。しかし、その成長は永遠には続かない。

新設住宅着工戸数は73年に過去最高の191万戸を記録した後、長期的な減少傾向に向かった(「令和2年度森林・林業白書」林野庁)。しかし一方で、日本に存在する住宅そのものは増え続けている。

住宅総数は68年の約2559万戸から、23年には約6505万戸へと増加(「住宅・土地統計調査」総務省)。空き家も増え、社会の課題は「住宅を建てること」から、「既存の住宅をどう維持し、活用していくか」へと移っていく。

コニシも、この変化に歩調を合わせるように製品群を広げていく。床材や内装材向け接着剤に加え、高い耐久性を持つエポキシ系接着剤や建築用シーリング材を展開。新築だけではなく、リフォームやリノベーション、補修・改修といった需要にも対応する体制を整えていった。

そして、「直す」ことが求められるようになったのは、住宅だけではなかった。高度経済成長期に整備された道路や橋梁、トンネルなどの社会インフラも、建設から数十年が経過し、老朽化が社会課題となり始める。

転機となったのが、12年12月に発生した中央自動車道・笹子トンネル天井板落下事故だった。9人が犠牲となったこの事故を受け、国は全国の道路、橋梁、トンネルなどの緊急点検を実施。その後も、道路法施行規則の改正により、橋梁やトンネルなどについて5年に1度の近接目視による定期点検を義務付けるなど、インフラ維持管理政策を大きく転換していった。

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