生成AIが瞬時に「正解」を出す時代、知識があるだけでは差がつきません。
では、「かなり優秀な人」と「本当に頭のいい人」を分けるものは何か――。
新刊『最難関大学の予想問題で鍛える 一生食える地頭力』を上梓したサマデイグループCEOの相川秀希氏が、「合格」「不合格」の解答例を比較しながら、AI時代に一生武器になる「地頭力」の正体を解き明かします。
なぜ一橋大学は、ただの「データサイエンス学部」にしなかったのか
いま、大学の新設・改組の一覧には「データサイエンス」「情報」「AI」の文字が並びます。国も情報系への再編を大規模な基金で後押しし、この数年で関連学部・学科は一気に増えました。
この潮流の象徴が、一橋大学です。
2023年、1951年の4学部体制以来の新学部として、「ソーシャル・データサイエンス学部」を設置したのです。
ここで見落としてはいけないのは、72年ぶりの決断に、わざわざ「ソーシャル」を冠したという事実です。
この一語に、一橋大学が学生に何を求めているかが凝縮されていると私は考えます。
データ分析のツールを回し、相関を拾い、モデルを組むだけなら、すでにAIのほうが圧倒的に優れています。
だからこそ、これから人間には、数字を読み解く力以上に、「ものの本質を見抜く力」が求められるはずです。
そもそも、数字は、絶対的な正解を映した鏡ではありません。
「解約率が下がった」のは、満足度が上がったのか、それとも不満な人が去りきったのか。同じ一つのデータに、いくつもの見方が成り立ちます。
社会には数字が溢れていますが、その本当の意味は、数字を見ただけではわかりません。
だから、一橋大学は「ソーシャル」と冠したのではないでしょうか。
データの向こう側にいる「人間」と「社会」を抜きにしては、データは読めないからです。



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