網膜に映し、ラベルを貼って終える。「青い服の男性」「機械が古い」「相関がある」。たいてい何も見ていない。
言葉にしようとして詰まり、構造と意図を探り始める。「どんな青か」「なぜ錆びたのか」「なぜこの2つを並べて測ったのか」。
写っていないものまで含めて、対象と対話する。「その部屋は寒いか」「現場の士気はどうか」「この数字に記録されなかったのは誰か」。
人間が担うべき、真のデータサイエンスは、まさに、「観る」の領域です。
ここまで来ると、前述の予想問題の意味が変わって見えてくるはずです。
この一文は、単なる選択の指示ではありません。3枚のうちどれを選び、なぜそれに引き寄せられたのかを説明する時点で、受験生の「観る」力が試されるのです。
一橋大学の設問は、いわば大学受験における「ソーシャルビュー」です。
描かれていないものまで観て、それを自分の言葉にできるか。「ソーシャル」を冠した理由に目を向ければ、こうした問題を予想するのは、必然というわけです。
「非認知スキルトレーニング」に挑戦してみよう
単語を覚えるだけじゃなく、日頃の「モノの見方」を鍛えて、「合格(うか)る教養」を身につけるための、「非認知スキルトレーニング」に挑戦してみましょう。
新刊『最難関大学の予想問題で鍛える 一生食える地頭力』の発売を記念した特別イベント(5年後の大学入試問題に会いに行く~ 特別公開ライブ)を実施します(詳しくはこちら)。
「センスとは何か」これまた正解のない問いです。ポイントはひとつだけ。「辞書的な定義を書かないこと」です。
「うわ、この人センスいいな」と心が動いた瞬間のことを思い出してみてもいいかもしれません。ぜひ、自分だけの「センスの定義」を言語化してみてください。
入試問題は、大学からのラブレターです。
「あなたは世界をどう観ているのか」という問いかけに、自分だけの言葉で対話する楽しさを知れば、受験だけじゃなく、人生そのものが豊かになるはずです。


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