「再開できる日に備えて、候補企業との関係づくりだけは続けていました」
こうして財務基盤を整えた宮原社長は、会社の命運をかけた大勝負に出る。全体売上のわずか2%であり、未だ赤字を脱していなかったサービス付き高齢者向け住宅(以下、「サ高住」と表記)事業への集中投資である。
手探りで始まった1年目は「10勝5敗」、結果は赤字
普通に考えれば、真っ先に縮小や撤退の対象になってもおかしくないサ高住事業。だが、宮原社長は逆張りの決断で勝負した。
「教育分野とならぶもう一つの大きな柱に成長すると信じていたし、むしろここを集中して伸ばさなければならないと使命感を持っていました」
そうして2011年、ココファンへの投資を本格化させる。まずは1年目で15棟の開設に踏み切った。
学研が経営再建の入り口に立ったばかりの時期としても、あまりにも大胆、かつ狂気とも言える開設ペースだ。当然、社内や投資家からは「本業がこれだけ苦しいのに、なぜ赤字事業を拡大するのか」と激しい反発の声が上がった。
もっとも、この投資は決して100%の勝算があって進められたわけではない。当時はまだ「サ高住」という言葉すら一般的ではなく、制度も整備途上だった。高齢者が本当に入居してくれるのか、どの程度の規模なら採算が取れるのか、誰にもわからない。
「最初は全部手探りで進めるしかなかったですね」


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