INDEX
前編では、学研が祖父母世代の声から高齢者向け事業という新たな市場を見出した経緯を紹介した。
中編では、経営危機のさなか、宮原博昭氏(以下、宮原社長)が売上わずか2%の介護事業に未来を託し、子会社ココファンへの大胆な投資を続けた過程を見てきた。
しかし、新規事業を育てることと、会社全体を成長させることは別の話である。
介護事業が拡大する一方で、祖業の教育・出版事業も依然として重要な収益基盤だった。さらに、M&Aによって異なる組織文化を持つ企業が次々とグループに加わっていく。
学研は、どのようにして既存事業と新規事業を両立させ、多様な企業を束ねながら成長を続けたのか。後編では、その答えを探る。
出版事業が6億円の赤字で、撤退寸前
介護事業への投資が軌道に乗り始めた一方で、宮原社長はもう一つの難題とも向き合っていた。祖業である教育・出版事業である。
少子化やデジタル化の影響を受け、多くの出版社が雑誌や書籍の点数削減を進めていた。しかし宮原社長は、逆の手法をとる。
「私たちは、出版点数は減らさなかったんです」(以下、宮原社長)
その背景には、出版事業を単なる収益を生み出す基盤ではなく、「学研ブランド」そのものと捉える思いがあった。


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