新規事業は2年連続で赤字となり、3年目の計画でも黒字化が見込めなければ撤退する。事業の軸足は出版などのコンテンツ販売からサービス提供へ移す。そして「ギリギリでも赤字にしない経営」を徹底した。
「撤退にもお金がかかります。だから辞めると決めたら早いほうがいいんです」
この考え方に基づき、事業の選択と集中を進めた。不採算事業は整理する一方で、順調だった学習塾の新規出店もあえて凍結。組織改革と収益体質の改善に心血を注いだ。
順調だったM&Aの実行を、3年間停止
だが、目の前の赤字対応だけを考えていたわけではない。宮原社長は2004年頃にM&A(企業の合併や買収)という経営手法を知り、強い関心を持つようになっていた。
「買収というとちょっと怖いイメージがありますが、私たちが考えるM&Aは、仲間になって一緒に成長するという方法です。だから“ぬるいM&A”と言われてますね」
当時の学研単独では成長に限界がある。そこで宮原社長は、教育や医療福祉分野の企業をグループに迎え入れながら成長する構想を描いていた。
しかし、社長就任当時の財務状況では積極的なM&Aを進められる状態ではない。そこで宮原社長は大胆な決断を下す。順調だったM&Aの実行を3年間停止したのだ。
一方で、興味深いのは「探索」を止めなかったことだ。M&Aを実行しない3年間も、宮原社長は全国を回って案件の発掘や経営者との面談を続けていたという。


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