2006年、学研は東京都大田区に高齢者住宅の第1号施設「ココファンレイクヒルズ」を開設する。
しかし、学研の財務状況はあまりに深刻だった。2006年から4期連続の営業赤字に陥り、売上高はピーク時の半分以下に低迷。1000億円以上あった純資産も、20年で4分の3が消滅していた。2008年には東京・五反田の本社ビルの売却を余儀なくされ、翌2009年には、かつての稼ぎ頭だった『学習』『科学』もついに休刊を発表した。
一方で、介護事業の売上は学研グループ全体のわずか2%に過ぎない。祖業は縮小し、新規事業は赤字のまま。学研は存亡の危機に立たされていた。
不採算事業の整理と収益改善
「宮原、お前がやれ」
学研が4期連続の営業赤字に沈み、『学習』『科学』の休刊が決まった翌年の2010年。再建待ったなしの状況のなか、宮原社長は前社長遠藤洋一郎氏から呼び出され、社長就任を打診される。
「やります」。即答した。沈みかけた船を必ず立て直す。宮原社長は、その一心で内部改革を決意した。
まず取り組んだのは、経営基盤の改善だ。就任当時、学研は巨額の借入金を抱えていた。宮原社長は、家庭教師派遣などの不採算事業や、長年引きずってきた物流コストなどのコスト構造にも次々とメスを入れていった。
「まずは会社を黒字化することが先決でした」
宮原社長は経営再建にあたり、いくつかの原則を定めた。


※ログイン後、コメント入力が可能です。