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「できない」と連呼したら頬にバッテンも…84歳"キャンディ先生"がアート教室で58年教えてきた「自分らしい生き方」

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浅葉和子 アサバアートスクエア
横浜市の「アサバアートスクエア」で教える浅葉和子さん(撮影:森本絢)
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アサバアートスクエアのデザイン教室では、いつまでに何をつくるという課題を与えるのではなく、基本的にそれぞれが納得できる作品づくりを優先している。

「アートって、上手いとか下手とかじゃないんです。自分で考えて、好きにやってみることが大事であって、その子が自然であることが何よりも大切です」

デザイン教室に向かう通路は、ナイル川をイメージしてつくられたタイルの道が導く(撮影:森本絢)

これは前述した、自由に絵を描きお人形をつくっていた浅葉さんの幼少期に由来する。誰かと比較してどちらが上手いかと言われないこと。「そんなの作って何になるの」と冷笑されないこと。邪魔になるからと作品を捨てられたりしないこと。

些細な一言が深い傷になり、子どもの「やってみたい」気持ちを封印してしまいかねないからだ。浅葉さんはそうした言葉を絶対に使わず、時には生徒のお母さんたちに注意を促したこともある。

「私自身、誰かと比べられたり否定されたりしなかったからね。そのことには今も感謝しています」

今でも忘れられない、小学5年生の男の子の投身自殺

デザイン教室を始めて10年以上が経った頃、子どものいじめや家庭内暴力が深刻な社会問題となっていく。浅葉さんは日々子どもたちと接しながら、みんなの目から光が失われてしまう社会になってしまうような危機感を覚えた。

今でも忘れられないのは、1985年に起きた、小学5年生の男の子の投身自殺だという。

「すぐ近所で、うちの教室に通っていた子の同級生でもあった子です。ものすごいショックを受けた出来事でした」

鋭い洞察力で社会や未来への絶望を書き残して身を投げた男の子のことが忘れられず、自分にできることをより一層、真剣に考え行動するようになっていった。

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