「3回言ったらほっぺにバッテン描くからね」と言っていたところ、4歳の女の子が「できない」を連呼。約束通りほっぺにバッテンを描いたことがある。
「もう大泣きしちゃって大変だったわ。翌週から来なくなっちゃって、あの時は私から電話で謝って仲直りしたの」
頬にバッテンを描かれた少女は今、建築家として活躍しているという。
アサバアートスクエアは、子ども向けという枠にも収まらない。誰でも来訪可能なギャラリーやカフェが併設されており、国内外のアーティストによるイベントや展示など、多様な価値観と出会える場でもある。
また、浅葉さんたちが立ち上げ、現在も運営に関わる「金沢文庫芸術祭」は25年以上続いており、来場者数は毎年2万人という一大イベントだ。
子どもたちは自由に作品を作り、その過程で自らと向き合う
ここで出会った子どもたちはみんな、「夢中」と言わんばかりの表情で目を輝かせていた。周りのことなど気にせず全身全霊で集中している子や、先生のアドバイスのおかげで難しかったところがお気に入りポイントになったと教えてくれる子、一方で、少し手を休めて空(くう)を見ている子も。
独自の特別な学習プログラムがあるわけではない。子どもたちは自由に作品制作に取り組み、その過程で自然に自らと向き合っているようだ。
絵画教室はむかしから人気がある習い事のひとつだが、この教室が半世紀以上も賑わっている理由はどこにあるのだろうか。

