ただし、こうしたエリートは氷河期世代の中でも例外的な存在だという指摘がありました。
「きらりと光る経営人材もいますが、ごく少数です。この世代は成功体験が少ないため、自己肯定感が低いという問題があります。平均的には、前後の世代と比べて大きな優劣はないように思います」(建設・人事部長)
「氷河期世代は、新卒採用を絞ったうえ、中途採用もままならず、いまも谷間の年齢層です。飛び抜けて優秀な人材もいますが、当社の多数の事業部門を担ってもらうには、絶対数が不足しています」(電機・人事担当役員)
今後については、どうでしょうか。氷河期世代に「大いに期待しています。この世代に頑張ってもらわないと困ります」(サービス・経営者)という声もありましたが、次のような厳しい指摘もありました。
「氷河期世代の後、かなり優秀な人材が採れるようになって、リーダー候補が順調に育っています。当社では部門長クラスの若返りを進めており、世代飛ばしをして氷河期世代の下を抜擢するかもしれません」(エネルギー・人事担当役員)
氷河期世代の改革推進に期待
最後に、ここまでの検討を踏まえた個人的な意見です。バブル世代にもポスト氷河期世代にも、優秀なリーダー(候補)がいます。しかし氷河期エリートが他の世代のリーダーと大きく違うのは、会社と適度な距離を置いて、自立した行動ができることです。
いま多くの日本企業では、過去に成功をもたらした仕組みや組織運営を手直しするだけでは済まされず、抜本的な改革が求められています。成功体験を持ち現状維持の志向があるリーダーよりも、氷河期エリートのほうが改革を進めるには適任でしょう。
世代飛ばしで氷河期世代が日の目を見ることなく終わるのか。それとも、日本企業の改革を主導する中心的な役割を果たすようになるのか。氷河期世代の今後に大いに注目しましょう。

