7月、都内の閑静な住宅街にある瀟洒(しょうしゃ)なマンション。足場に囲まれた4階のベランダでは、職人がハンマーとスクレーパーと呼ばれるヘラ状の道具を手に、古くなった床の長尺シートを剥がす作業を進めていた。
このマンションは築12年。今春から9月までの工期で行われている、1回目の大規模修繕工事の真っ最中だ。しかし、工事の進行は計画どおりではない。修繕工事を担うサンエーテクノ(埼玉県新座市)の今泉義仁・工事部課長は「材料が手に入らず工程を変更した。特に屋上の防水工事の着手時期が大幅に遅れている。何とか工期に間に合わせたい」と語る。
マンションの大規模修繕は今、2つの逆風に同時にさらされている。1つは、中東情勢の悪化に伴う建設資材の調達難と価格高騰。もう1つは、業界を揺るがす談合疑惑だ。
まず現場を直撃しているのが、資材ショックである。ナフサ(粗製ガソリン)不足などを受けて建設資材メーカーが値上げや出荷調整に踏み切った。その結果、施工各社をはじめ業者の間で手元に在庫を多めに確保したいとの心理が広がり、流通が混乱したのだ。
工期遅れの費用は業者負担の場合も
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