地図に見出す軍用地
地図を一目見て、何かあるなと感じた。勤め始めた大学周辺で、授業のフィールドワークの対象地域を探していたところ、神奈川県藤沢市のJR辻堂駅から海岸方面の道の形が奇妙なのである(図1-1上、図1-2)。
駅から南へ1キロほどは、毛細血管のような細い道が入り組む住宅街だ。特に駅の南東には、寺社仏閣が多く、鎌倉古道の名残をとどめた三叉路もある。中世にさかのぼる土地だ。歩いてみると、地主の家とわかる門構えの邸宅が何軒も見られ、小さな神社へ通じる私道に気づく。
これに対して海岸側では、茅ヶ崎(ちがさき)市から横浜市戸塚(とつか)区へと北東方面に向かう県道30号線を境に、風景が一変する。UR(都市再生機構)の大規模な団地や、湘南工科大学、辻堂海浜公園のように、四角く人工的に区画された大規模な開発空間が広がる。


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